Proturaの生態情報のまとめ2019年10月19日

A synopsis of the ecology of Protura (Arthropoda: Hexapoda)
by Loris Galli, Matteo Capurro, Elisa Colasanto, Tony Molyneux, Andy Murray,Carlo 
Torti & Matteo Zinni
in Revue suisse de Zoologie (September 2019) 126(2): 155-164.

文献によりProturaの生態情報をまとめたもの。

・Density and Distribution Pattern
 密度はかなりの変化がある。最高値は、風倒後の若いトウヒ林の8月に90,000/㎡越えであったが、これは特異な値であろう。通常は数千個体以下であろう。
 集中分布を示す。これは、環境圧や集合フェロモンの算出等によるのではないか。←Proturaで集合フェロモンはまだ未確認

・Edaphic Factors
 密度と土壌要因との関係。正負の相関があり、関係は明確ではない。
 toxic substancesは密度を減少させる。

・Altitudinal and Vertical Distribution
 higher elavationに出現する種はclimaete やecological conditionの広い範囲に耐性がある、結果広い分布域
 deeper layerに生息する種は、short legsで smaller body
 染色体数の数(多い)とsmaller foretarsusには正の相関がある
 夏の干ばつ:土壌表層からの個体数の減少.冬ー早春、8月の2回の減少:20cm以深への移動.36℃以上ではProturaを含む土壌節足動物は生息できない。冬季の移動もある。

・Distribution and Ecology
 森林のProtura assemblagesはmeadow soil よりは個体数、多様性とも高い。
 ある種は都市の環境への耐性を持っている。
 小哺乳類の巣からの記録もあり。

・Trophic Level
 ectomycorrhizal fungi(EMF)を摂食する。
 Stummp(1990)は個体群動態とEMF量が正に相関することを確認。
 川の氾濫原で、初期のステージ(arbuscular mycorrhizai fungi)から古くなる(EMFがcommon)遷移に従い、Proturaの個体数と多様性が高まる。
 EMFだけでなく"free" hyapaeも利用している。
 Proturaと菌根菌の種との強い関連を示唆する研究がある一方、Kaneko et alは否定している。
 Proturaは第8腹節の線開口部からの滲出物で防御している。

・Population Dynamics (Phenology and Sex Ratio)
 同じ種でも場所が異なればphenologyが変わる。local climateへの対応ではないか。
 性比のバランスが悪い。メスが多い、spermatophoreによる間接的な精子のtransferによるためであろう。(Proturaでのspermatophoreによる間接受精は確認されていない、そもそもどのように精子をやり取りしているのか不明)。
 またメスのみで単為生殖を示すものもいる。