極東ロシアのカマアシムシ類2010年09月25日

ウクライナのS女史が極東ロシアからBaculentulus(モリカワカアマシムシ属)の2新種を報告された.投稿前に原稿を見てコメントをしたものが刊行されたものである.その時に,新種の一つであるB. potapoviのdiagnosisに関して,コメント・疑問を呈していた.確かに,刊行されたものではそのコメントが考慮されているが,B. morikawai, B. samchonri, B. taipeiensis, B. tienmushaensis, B. tosanusとの類縁関係に触れられておらず,大きな課題が残っていると感じる.この中で,B. morikawaiとB. tosanusは日本での普通種であり,B. morikawaiには2つのタイプがあり,これをどのように取り扱うかが難しい.今回のB. potapoviはこれらの種との区別が難しく感じる.果たして,独立種として良いのだろうか.

それにしても,S女史の研究活動は活溌で,極東ロシアだけでも結構な種類の報告がされている.日本との類縁が深い種が多いだけに注目して行かなくてはいけない.

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