宮崎県のカマアシムシ類2010年03月06日

これまで九州の標本はあまり検鏡する機会がなかったが,D大学のI先生が採集された宮崎県日南市4個所(旧北郷町1個所と旧南郷町1個所を含む)の標本を検する機会があった.モリカワカアマシムシB. morikawai,トサカマアシムシB. tosanus,カマアシムシE. sakuraが優占するのは暖帯域の特徴である.

モリカワカアマシムシでは,頭部付加毛のあるタイプとないタイプの両型が同一地点から見出された.これを種を分ける形質とするならば(多くの種ではその様に扱われているが),この両型は別種とすべきものとなる.果たしてそうなのか,解決できていない.

今回はミナミカマアシムシB. nitidusというモリカワカアマシムシ属の別の種が得られた.本当に久しぶりに見た.また,カグヤカマアシムシS. hutanも得られたが,やはりメスのみであった.因みに,本種は宮崎県初記録種である.

カマアシムシ属Eosentomonでも,面白い種が得られた.沖縄と伊豆諸島でのみ記録されている種類(現在投稿中の種類でまだ種名が確定していない)だが,九州で初めての記録になる.沖縄と伊豆諸島にいるならば,九州や四国,本州の太平洋側にはいても良いだろう.

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