図書:写真で見る小さな生きものの不思議2013年05月11日

土壌動物写真家として知られている皆越ようせいさんが,新たな図書を上梓された.これまでにも,「おちばのしたをのぞいてみたら…」,「ミミズのふしぎ」,「ダンゴムシみつけたよ」,「うみのダンゴムシ・やまのダンゴムシ」,など多くの著書を出されている.
 今回のご著書では,土の中の動物のメジャーどころ,というか湿性動物を除いた(一部湿性動物も)ほとんどの動物が扱われている.写真には定評があるので当たり前だが,各ページとも素晴らしい写真が掲載されている.ワラジムシの表面の顆粒,トビムシの体表の刺毛,などなど,それが体長2mm,3mmなのである.中には,1mmにも達しないものもいる.そのすばらしさも,単に撮影しているのではなく,生活の一部を切り取っているのがよい.撮影場所と時期も明記されているので,生活の様子が分かる.また,ほとんど知られていない情報もある.例えば,アカイボトビムシの発光がそうだ.これなどは全く知らなかった.おまえが不勉強なだけと言われてしまえば,それまでだが.
 
 私の専門で言えば,飼育下といえどもカマアシムシの生体の写真は多くない.例えば,Fauna Japonicaに掲載されている佐藤 有恒さんが撮影したもの(今立源太良先生の他の著作の写真も佐藤さんの手になるもの),新聞に掲載された(東京新聞,20101012)生物多様性の記事のなかの生命誌研究館の活動出紹介された写真などである.今回の写真も飼育下のものであるが,大きな写真でないのに,腹節の刺毛が直立しているのが分かる.カマアシムシ類は,野外でどうのような生活をしているかはよく分かっていない.皆越さんには,是非野外での生活の様子を記録していただきたいと,夢のような希望を持っている.
皆越さん本表紙
写真で見る小さな生きものの不思議: 土壌動物の世界、
皆越ようせい(著)
平凡社 
発行年月日:2013/04
ISBN-10:4582542484
ISBN-13:9784582542486
判型:B5
ページ数:159ページ
縦:24cm

20130511雑記2013年05月11日

・朝の雰囲気では雨の感じはしなかったが,10時には雨になった.
・KRSWさんに編集委員会議題についての返答メール
・チェックしようと思いながら時間が経ってしまったFJKW&TMNG論文のチェック.もう問題ないかと思っていたら,何カ所か見落としがあり,修正が必要.
・車検終了の連絡.図書館経由で持ちに行く.cubeは外から見るとそれほど大きくないが,乗ってみると広く感じる.車幅感覚などが慣れないなぁ~.

【図書】暦の語る日本の歴史 (読みなおす日本史),内田正男(著),吉川弘文館 (読了)