ミノムシ2011年06月05日

庭の片づけをしていて,柿の葉にミノムシの簑に気づいた.一見したところ大きく見えたのでオオミノガかと思った.もうオオミノガを見なくなって久しい.これもオオミノガヤドリバエの影響なのだろう.
柿の葉のみのをよく見ると,チャミノガの簑であった.チャミノガにしても,大きな簑を見るのは久しぶりである.
チャミノガの簑

福岡県のカマアシムシ類2011年06月07日

福岡県在住のKさんからいただいたサンプルの検鏡が終了した.福岡県内各地からのサンプルである.特に,タカナワカマアシムシ属Filientomonの分布に興味があったが,出現したのはF. lubiricumだけであった.この種は四国,中国地方西部,九州に分布しているものである.期待していたタカナワカマアシムシF. takanawanumは出現しなかった.
 面白いところでは,サキモリカマアシムシKenyentulus sakimoriが多くの地点で出現したり,アオキカマアシムシ属Gracilentulusの一種が得られたことであろうか.
 アオキカマアシムシ属では利尻島から種名未確定種(G. europaeusではないかと思われるが詳細な調査が必要)が多数得られている.本属では,アオキカマアシムシG. aokiiが四国と中国地方に,G. chichibuensisが関東地方に分布する.これらは綺麗に分かれて分布しているのであろうか.

標本作製2011年06月11日

2007年の夏に研究仲間と岩手県奥州市の焼石岳の採集を行ったが,その時のサンプルを標本にした.海抜高度720mから1460mの間で,6地点を設定して土壌サンプルを採集した.当日は雨だったが,土壌動物の採集ではそれほどの問題はないだろう.天候に左右されないのは利点である.
 垂直分布が解析できるかと期待していたが,思ったほど個体が採れていなかった.って,ソーティングをしてもらったのでこんな事を言うとバチが当たるか.どんなものが出てくるか楽しみだが,多少残念な面がある.
 焼石岳御サンプル処理が短時間ですんだので,群馬県嬬恋村の鬼押し出し近くのサンプルも行った.こちらは,タカナワカマアシムシ属のものが目的.こちらは,数が多くて280個体ほど得られていた.処理に思った以上の時間がかかり,1日仕事になってしまった.