論文が印刷?公表されました2010年12月03日

苦労したというか,ファイルの処理で問題が発生した原稿が今日公表された.webによるonline版なので,アクセプトから公表までが早い.でもonline版なので印刷とはいいにくいなぁ.
驚いたのは,私が公表されたのを知る前に,別刷り請求のメールが2通(1つは国内,1通は国外)届いていたことである.そのメールの後に,出版社から公表された旨の連絡があった.別刷りを請求された方は,日々チェックされているのだろうか.いずれにせよ,何とか公表されたので良かった,良かった.
因みに,公表されたのは日本産のカマアシムシ科の分類をまとめたもので,全体として4属43種を記録し,1新属,22新種,1新記録を含んでいる.
論文の書誌情報は次のとおりです.
Taxonomic revision of the family Eosentomidae (Hexapoda: Protura) from Japan  in   Zootaxa 2701: 1–109 (3 Dec. 2010

日本産カマアシムシ科リスト2010年12月13日

日本産のカマアシムシ科Eosentomidaeのrevisionが公開されたことは前に書いたが,折角なのでその種名リストを載せておく.太字は,今回のrevisionで記載されたものである.この中で,Osientomonは新属である.
マイナーなグループであるカマアシムシ類の中でも,特に扱いづらいのがこのカマアシムシ科である.この群をさらに細かくし
てしまったので,同定は本当に難しいことになるだろうな.でも,まだまだ未記載種(新記録種もか?)がいるんだよなぁ~.

Osientomon japonicum 
Pseudanisentomon babai Imadaté ババカマアシムシ
Pseudanisentomon donan
Pseudanisentomon ishiii Nakamura タジマガハラカマアシムシ
Pseudanisentomon parvum
Paranisentomon tuxeni (Imadaté & Yosii) サトカマアシムシ
Eosentomon asahi Imadaté アサヒカマアシムシ
Eosentomon asakawaense Imadaté オオカマアシムシ
Eosentomon ateruii
Eosentomon brachychaetum
Eosentomon calvum
Eosentomon dounanense Imadaté ヨナグニカマアシムシ
Eosentomon dubium 
Eosentomon furunoi
Eosentomon hiroshianum
Eosentomon hitakami
Eosentomon impar
Eosentomon imperiale
Eosentomon inconditum
Eosentomon juni Imadaté ジュンカマアシムシ
Eosentomon kantoense
Eosentomon kimum Imadaté 
Eosentomon konsenense Imadaté コンセンカマアシムシ
Eosentomon kubotai
Eosentomon kumei Imadaté & Yosii クメカマアシムシ
Eosentomon longispine
Eosentomon mizushimai
Eosentomon morei
Eosentomon nupri Nakamura 
Eosentomon ornatum
Eosentomon pacificum Imadaté & Yosii カイナンカマアシムシ
Eosentomon rishir Nakamura リシリカマアシムシ
Eosentomon sakura Imadaté & Yosii カマアシムシ
Eosentomon simulans
Eosentomon spatulatum
Eosentomon toi Imadaté トイカマアシムシ
Eosentomon tokiokai Imadaté クロシオカマアシムシ
Eosentomon tokui Imadaté ワタナベカマアアシムシ
Eosentomon topochi Imadaté トポチカマアシムシ
Eosentomon udagawai Imadaté ウダガカカマアシムシ
Eosentomon yambaru
Eosentomon yezoense Nakamura エゾカマアシムシ
Eosentomon zhanjiangense Zhang 

”自炊”の完了2010年12月23日

以前(10月7日)に,いわゆる”自炊”をやってみたことを書いた.その後,時間を見つけてはすこしずつ電子化を進めてきた.それがやっと終了した.終了といっても,私が持っている600件弱のカマアシムシ関係の論文だけであるが....(他の分野のものは全く手が着いていない).中には,かなり紙質の悪いものがあるので,多少は安心だろう.コピーしたファイルは安全のため,ほか2個所にバックアップをしておいた.検索も多少しやすくなったような気がする.
他の分野のものもすればよいのだろうが,さすがにそこまでは手が出ない.....

デジカメによる顕微鏡写真2010年12月29日

カマアシムシ類では写真での同定はほとんど不可能に近いので,あまり熱心に写真撮影をしてこなかった.今回,頼まれごとや画像を使う必要があり,デジカメで顕微鏡写真を撮ってみた.以前のフィルムとは違い,その場で確認できるので随分楽になった.ただし問題がある.ちょっとした大きさのものは画面に入りきらないのである.
上の画像はヨロイカマアシムシのメスであるが,頭部から腹部中央部までで腹部末端までは入りきっていない.下の画像は第二幼生で,やっと全体が入る状況である.これでも撮影倍率は最も小さいので,全体が入らない種類があるのは諦めるしかなさそうである.

ヨロイカマアシムシのメス

ヨロイカマアシムシの第二幼生