6月そうそう......2010年06月01日

6月そうそう,朝一番の用事で浦和へ出張.当初は9時からの説明だけと聞いていたが,実際には午後の説明にも立ち会いと言うことで一日仕事に.予定が大幅に狂ってしまった.

Sugaentulusの形質2010年06月08日

ウクライナのS女史からの依頼で,Sugaentulusのタイプ標本を借りて(タイプ標本は国立科学博物館に保管されている),検鏡している.この属が設立された時より見るべき形質が増えているので,S女史も新属との区別点を明確にしたいための依頼である.

検鏡はまだ終わっていないが,頭部に付加毛があることやmaxillary palpusの感覚毛が刺毛型であること,体表の皮孔の分布などが明らかになった.S女史が新属としたい種とは違う点も見出された.ついでに,Wenyingiaの形質についても問い合わせが来ているので,Sugaentulusが終了したら,そちらに取りかからなくてはいけない.

休みの日まで......2010年06月08日

昨日までずっと仕事で,今日は休みであった.家で顕微鏡を見たり,用事で外出などしていたが,夕方先日要求した予算の関係で質問あるとのことで携帯に連絡がきた.6時過ぎに連絡をもらい,回答が明日の9時締め切りとのこと.時間がないので,個人のアドレスに質問を送ってもらった.

一人で考えていると手詰まりになってしまうので,大変申し訳なかったが近くに住む同僚のNさんを訪ねて相談した.これはというのもなかなかないが,方向性ははっきりした.先ほど,回答の素案の素案ができたところ.細かいところは,明日朝に書類を見ながら修正しないといけない.何せ,関係書類がないところで回答を作っているのだから辛い.

このような状態もあと少しで終わるのだろうか....

自然史標本データ研究会2010年06月12日

11日(金)は上野の国立科学博物館で開催された「自然史標本データ整備事業による標本情報の発信に関する研究会」に参加した.他の仕事もいろいろ迫ってきており,時間的にも厳しいところであるが,これまでもデータを提供してきたが(それも多くは私の専門分野のデータ),今後の博物館の情報提供に関わる問題もあるので参加した.

以前から採集地点をどう表記するか,を個人的に課題に感じていたが,H博物館のMさんの話題は参考になった.個人的には緯度経度表記の意見であるが,昔のデータでは緯度経度を示すべき資料のないことが多い.地点を表記する時の,「住所」「自然地名」「施設名」「ハビタット」の区別は,言われてみればそのとおりであるが,目から鱗が落ちる思いがした.記憶を辿ってみると,これまでの採集データには住所と自然地名が混在しているではないかと思われる.今後注意が必要だろう.

どこの博物館も資料整理とデータベースとの関係に課題があるようだった.魚類では未登録資料を増加させないために,科が分かれば登録するというのは,多少驚きでもあった.無脊椎動物,特に昆虫関係ではこれが通用するだろうか.

SugaentulusとWenyingiaの検鏡終了,属の課題2010年06月15日

SugaentulusとWenyingiaのタイプ標本を土日を使って検鏡し,スケッチをした.墨入れは終わっていたが,スキャンできていなかったが本日スキャンも終了して,とりあえずS女史へ画像を送付した.インターネットは便利なものである.

問い合わせをもらった項目については,図とともに説明を送った.確かにシベリアから記録された種とはmaxillary palpusとlabial palpusの感覚毛が異なるし,maxillary glandの形態も違っている.これを属の形質として良いものか難しいところであるが,本属が含まれるクシカマアシムシ科Acerentomidaeの属の区分基準からみると,別属を立てることも許容範囲かと思われる.個人的には,ちょっと分けすぎだろうとは感じているが.今後も課題は残りそうである.